従業員達は両脇からガシッっと桂を捕まえると、
薔薇色のカーテンの引かれた見るからに妖しい部屋に連れて行こうとする。

 

「うわぁ〜〜〜〜〜!!!!!」 

 

(何だあの部屋は!? この前来た時にはなかったぞ・・・・!!!)

桂は必死に抵抗するが、こういった時の女の勢いはすごい。集団となればなおさらだ。
しかもおかまなのだから力は男、桂はなすすべもなくカーテンの奥にひきづられて行った。
その後から西郷が部屋の中へと入って行く。

「ふっふっふ・・・v 腕がなるわ〜〜〜vvv」

 

 


暗転

 

 


1時間後、カーテンが開くと疲れきってぐったりとした桂が出てきた。
((ドキンッ))
おかまたちはときめいた。


桂は精神的に疲れたせいか儚げな表情をしており、
西郷がほどこした化粧と相まって凄艶な色気を放っていたのだ。
バサバサの睫毛が影を落とし、ふっくらとした唇は甘く熟した果実のように、
それを見るものに私を食べろと誘いかける・・・。
白磁のように白く滑らかな肌は、
おかまたちとの攻防の末薄桃色に染まって蒼地に水色で大きく蝶が描かれた着物によく生えた。
その姿は、禁欲的でありながら男たちの嗜虐心を煽るものであった。


西郷も例外ではなく、己の男の部分がヅラ子を欲しがっていることに気づいた。
それと同時に女の部分はヅラ子に嫉妬していた。


(まったく・・・、なんて子なの。 この私に一瞬でも欲しいと思わせるなんて。)


従業員に手を出さないのを心情としている西郷は気を取り直し桂に声をかけた。

 

「きれいよヅラ子、さぁ踊ってらっしゃい。その姿でお客様を虜にするのよ。」


 
「西郷殿・・・・」


ためらう様子を見せた桂だったが、己を見つめる西郷の顔が怖すぎたため逆らうことができなかった。
しかたなくステージへ向かう桂を見ておかま達はざわついていた。


「きれいねぇ、ヅラ子v お客とられちゃったらどうしよ〜。」

「私には及ばないけどね!」

「あんたに比べたら私のほうがきれいよ!」

「な〜んですって〜・・・!」

喧嘩を始めたおかま達は西郷に殴られて床に沈んだ。

 

「喧嘩はやめな! さぁ、ヅラ子のステージが始まるわよ。」

 

 

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